木を切ったときに現れる「木目」

まるで絵のようにきれいな模様ですが、「これってどうやってできるんだろう?」と
思ったことはありませんか?

木目は、木が育つ過程で自然にできるものです

春から夏にかけて木はぐんぐん成長し、この時期にできる細胞は大きくて柔らかめ

これを「早材(そうざい)」と呼びます

一方、秋から冬にかけては成長がゆっくりになり、細胞が小さくて硬くなります

こちらは「晩材(ばんざい)」と呼ばれています

この「早材」と「晩材」が交互に積み重なることで、木の年輪や木目が生まれるんです

つまり木目は、木がどんな環境で、どんなふうに育ってきたのかを教えてくれる“成長の記録”
なんですね

さらに、同じ木でも切り方によって模様の見え方が変わります

波のような模様の「板目(いため)」、まっすぐ通った筋の「柾目(まさめ)」など、表情はいろいろ

どれも自然が描いた模様だから、世界にまったく同じものはひとつとしてありません

木目はただの模様ではなく、自然が刻んだ時間の証

工場で木を扱うたびに、その一本一本が過ごしてきた年月を感じながら作業をしています