浜松っていうと、「楽器のまち」や「うなぎのまち」っていうイメージを持つ方が多いかもしれません

でも実は、「木工のまち」としてもなかなかすごいんです

その背景には、天竜川という大きな川の存在があります

天竜川は、昔から人々の暮らしに深く関わってきました

農業や漁業はもちろんのこと、かつては物を運ぶための“道”としても大活躍していたんです

なかでもこのあたりでは、「遠州天竜舟下り」と呼ばれる舟運(しゅううん)が盛んで

山から伐り出された木材が筏(いかだ)に組まれて、川を下って運ばれてきていました

丸太が川を流れていく風景は、まさに昔の浜松の名物だったそうです

そうした歴史の中で、浜松には木材を活かす技術や文化が根づいていきました

「天竜杉」や「天竜ヒノキ」といった良質な木は、家づくり、家具、建具、楽器など、

いろんなかたちで活躍しています

私たち川合木工所も、そんな浜松の“木とともにある文化”の中で生まれた会社です

創業から75年、ずっと「丸棒づくり」に向き合ってきました

今でも、木の香りがただよう工房の中で、一本一本、ていねいに丸棒を削っています

木の表情を見ながら仕上げていく作業は、やっぱり人の目と手が頼り

手間はかかりますが、それが私たちのものづくりのスタイルです

浜松が「楽器のまち」と呼ばれるようになったのも、木を扱う技術があったからこそ

そう考えると、音の裏側にも“木の文化”が息づいているんだなあと感じます

これからも、川とともに、木とともに

浜松の木工文化の中で、私たちらしいものづくりを続けていきます