木材のサイズ表記、見慣れているようでいて、よく見ると「ん?これは何ミリ?」と思うこと、ありませんか?
特に昔ながらの表記では、「尺(しゃく)」「寸(すん)」といった日本独自の単位が使われることもあり、慣れていない方にとってはちょっとした謎解きのように感じるかもしれません
今回は、そんな木の単位について、覚えておくとちょっと便利な豆知識をご紹介します!

◆ 尺・寸って、どれくらい?

まずは基本から。日本の伝統的な長さの単位をおさらいすると…

1尺(しゃく)

1寸(すん)

1分(ぶ)

=

=

=

約303mm(30.3cm)

約30.3mm(3.03cm)

約3.03mm

つまり「3尺の棒」は約90.9cmということになります
木材業界や建築業界では、今でもこの単位が使われることがあります
特にベテランの職人さんの間では、「この柱は5寸角(ごすんかく)でね…」なんていう会話が飛び交うことも

◆ ミリとどう違うの?

現在はミリメートル(mm)表記が主流ですが、木材サイズの由来が“尺寸”のままというケースも多く、たとえば

「30mmの丸棒」

「90cmの定尺棒」

実は「1寸丸」を基準に作られている

実は「3尺棒」と呼ばれていたもの

といったように、現代の表記の裏側に、昔ながらの単位が隠れていることがあります

◆ なぜ今でも残っているの?

木造建築や和家具、和太鼓など、日本の伝統技術が息づく分野では、「尺・寸」の方が感覚的に使いやすいこともあります

また、メートル法に切り替わった後も、木工の世界では慣れ親しんだ寸法感覚を大切にしてきたという背景も

川合木工所でも、棒材の長さをお伺いするときに「3尺くらいの…」というご相談をいただくことは今でもあります

◆ ちょっと便利な換算の目安

単位 ミリ換算 よく使われる長さの例

1分 約3mm

1寸 約30mm

1尺 約303mm

太鼓の皮の厚みなど

丸棒・角棒の径

定尺棒(3尺=約910mm)

◆ まとめ

少しややこしいように見える尺・寸の単位ですが、知っておくと木材選びの場面で「あ、これのことか!」と納得できる瞬間があります

DIYや木工を始めたばかりの方も、ベテランの方も、ぜひこの機会に日本の単位の世界にちょっと触れてみてくださいね

昔と今の“感覚”がつながるかもしれません